超合金Z
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超合金Z︵ちょうごうきんゼット︶は、永井豪の漫画およびそれを原作とするアニメ﹃マジンガーZ﹄に登場する架空の合金。主人公が搭乗する巨大ロボット・マジンガーZの装甲に用いられた。なお、本項では﹁マジンガーシリーズ﹂に登場する関連合金についても併せて記述する。
永井豪の漫画版では超合金Zの前段階でグレードの劣る合金Zが存在し、アフロダイAの装甲、構造材[要出典]に用いられていたとされるが[23]、TVアニメ版には合金Zを経て超合金Zが開発されたという設定や経緯が無く、アフロダイAは超合金Z製である[24]︵第41話︶[注 5][注 6]。 なお超合金Zには光子力エネルギーを発生・放出するという特徴がある。耐用時間の限界を越えるとそれができなくなり、装甲材に使用したメカは運用に支障をきたす[28]。このため劇中でマジンガーZがエネルギーの消耗を起こし、装甲の超合金Zをすべて交換する必要に迫られる事態に陥ったことがある。このエネルギー不足の状態のままで使用を続けると、メカがオーバーヒートを起こし爆発してしまう危険性がある。︵以上、﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第54話︶
その後、マジンガーシリーズの制作に伴い、強化版合金も登場した。﹃グレートマジンガー﹄では性能改良版の超合金N︵ニュー︶Zが登場した[注 7]。グレートマジンガーの装甲に用いられ、後にマジンガーZも装甲をこの合金に換装されたとされる[30][注 8]が、TVアニメ本編や放映当時の雑誌記事においてそのような説明は一切ない[注 9]︵詳細は﹃マジンガーZ﹄の登場メカの項を参照︶。TV版マジンガーシリーズの事実上の第3作﹃UFOロボ グレンダイザー﹄では、異星の技術であるグレンダイザーの装甲材・宇宙合金グレンを再現できなかった地球側︵宇宙科学研究所︶は、地球製スペイザー︵ダブルスペイザーなど︶の製作に、超合金N︵ニュー︶Zを使用している[34]。
TVシリーズと世界観が繋がっていないが、﹃マジンカイザー﹄では超合金ニューZα︵ゼットアルファ︶が登場[35]。これは、マジンカイザーの初出典であるゲーム﹃スーパーロボット大戦F完結編﹄において、マジンガーZに強力なゲッター線を照射した結果の変異物とされていたが、ゲームとは無関係の独立した作品として製作された﹃マジンカイザー﹄OVAシリーズでは、特にその製法は解説されていない。のちにOVA﹃マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍﹄においては、無重力の工房︵第二光子力研究所[36]︶で精錬したことで超合金ニューZαの完成度が高まり、衛星軌道上からの落下の衝撃にも無傷という破格の防御力をマジンカイザーに与えた。
他にも、企画段階で終わったTV版マジンガーシリーズ幻の第3作﹁ゴッド・マジンガー﹂では、弓教授が光子力をしのぐ反陽子エネルギー[注 10]を開発し、その反陽子エネルギーを超合金Zに長時間照射する事でさらに強度を増した超合金GZ[注 11]が、新マジンガー︵ゴッド・マジンガー︶の装甲材に使われるという設定だった[37][38]。
作中設定[編集]
マジンガーZの開発者・兜十蔵博士が発見した新元素ジャパニウム[1][2][3][4]から成るジャパニウム鉱石は、富士火山帯の地層からのみ採掘される[1]架空の鉱物[注 1]であり、超合金Zはこれより生成される特殊合金である[注 2]。鋼鉄より軽く[6][注 4]、その硬度・耐久力・耐熱性などは、既存のあらゆる金属をはるかに上回り、優れた堅牢さを誇る︵﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第1話︶[22]。永井豪の漫画版では超合金Zの前段階でグレードの劣る合金Zが存在し、アフロダイAの装甲、構造材[要出典]に用いられていたとされるが[23]、TVアニメ版には合金Zを経て超合金Zが開発されたという設定や経緯が無く、アフロダイAは超合金Z製である[24]︵第41話︶[注 5][注 6]。 なお超合金Zには光子力エネルギーを発生・放出するという特徴がある。耐用時間の限界を越えるとそれができなくなり、装甲材に使用したメカは運用に支障をきたす[28]。このため劇中でマジンガーZがエネルギーの消耗を起こし、装甲の超合金Zをすべて交換する必要に迫られる事態に陥ったことがある。このエネルギー不足の状態のままで使用を続けると、メカがオーバーヒートを起こし爆発してしまう危険性がある。︵以上、﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第54話︶
その後、マジンガーシリーズの制作に伴い、強化版合金も登場した。﹃グレートマジンガー﹄では性能改良版の超合金N︵ニュー︶Zが登場した[注 7]。グレートマジンガーの装甲に用いられ、後にマジンガーZも装甲をこの合金に換装されたとされる[30][注 8]が、TVアニメ本編や放映当時の雑誌記事においてそのような説明は一切ない[注 9]︵詳細は﹃マジンガーZ﹄の登場メカの項を参照︶。TV版マジンガーシリーズの事実上の第3作﹃UFOロボ グレンダイザー﹄では、異星の技術であるグレンダイザーの装甲材・宇宙合金グレンを再現できなかった地球側︵宇宙科学研究所︶は、地球製スペイザー︵ダブルスペイザーなど︶の製作に、超合金N︵ニュー︶Zを使用している[34]。
TVシリーズと世界観が繋がっていないが、﹃マジンカイザー﹄では超合金ニューZα︵ゼットアルファ︶が登場[35]。これは、マジンカイザーの初出典であるゲーム﹃スーパーロボット大戦F完結編﹄において、マジンガーZに強力なゲッター線を照射した結果の変異物とされていたが、ゲームとは無関係の独立した作品として製作された﹃マジンカイザー﹄OVAシリーズでは、特にその製法は解説されていない。のちにOVA﹃マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍﹄においては、無重力の工房︵第二光子力研究所[36]︶で精錬したことで超合金ニューZαの完成度が高まり、衛星軌道上からの落下の衝撃にも無傷という破格の防御力をマジンカイザーに与えた。
他にも、企画段階で終わったTV版マジンガーシリーズ幻の第3作﹁ゴッド・マジンガー﹂では、弓教授が光子力をしのぐ反陽子エネルギー[注 10]を開発し、その反陽子エネルギーを超合金Zに長時間照射する事でさらに強度を増した超合金GZ[注 11]が、新マジンガー︵ゴッド・マジンガー︶の装甲材に使われるという設定だった[37][38]。
超合金 (玩具)[編集]
なお、1970年代から80年代には男子玩具としてロボットの形に鋳造した亜鉛ダイカストの玩具が超合金[注 12]という触れ込みで販売され[注 13]、プラスティックとは異なる質感や重量感から人気となった[41]。脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ ﹃マジンガーZ TV手帳﹄[5]によれば、ジャパニューム︵原文ママ︶は兜十蔵が発見した新元素で、富士山麓の洪積世の地層からしか産出されないため、光子力研究所はその上に建てられている、という。また、核分裂をしない合金用ジャパニュームと、核分裂する燃料用ジャパニュームの2種類がある、とも記述されている。ただし、このような説明はアニメ本編はもとより、他では見られない。
(二)^ そのためジャパニウム合金と表現されることもある︵﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第17、28、52話ほか︶。
(三)^ スーパー鋼鉄合金と記述する資料もあるが[12]、そもそも鋼鉄は合金なので、﹁鋼鉄合金﹂は言葉として本来は適切ではない。そのことを考慮してか﹃スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄では、“スーパー鋼鉄という合金”という表現がされている[13]。
(四)^ 参考までに、身長18メートル・重量20トンのマジンガーZ[7][8][9][10]に対して、敵対するDr.ヘルの同じくらいの身長である機械獣たち︵スーパー鋼鉄製[11][注 3]︶は200トン前後のものが多い[14][15][16][17]。また、スクラップでできているボスボロットは全高12m・重量95t︵﹃マジンガーZ﹄登場時︶[18][19]もしくは全高20m・重量160t︵﹃グレートマジンガー﹄登場時︶[20][21]である。
(五)^ 第29話ではジャパニウム合金製とも言われている[25]。
(六)^ ただし、漫画版を踏まえてか、アフロダイAを合金Z製とする資料もある[26][27]。
(七)^ ﹃完全保存版 マジンガーZ大解剖﹄に“﹁超合金ニューZ﹂は超合金Zをさらに精製することで出来た金属で、強度は超合金Zのおよそ4倍、かつ軽量化された物質”との記述がある[29]が、これ以前の初出がはっきりしない。同誌のいくつかの箇所には、出版時にはすでに書き込まれていた当時のWikipedia各項の文と類似した表現が散見され、Wikipediaからの引用の可能性もある。
(八)^ 永井豪による漫画版﹃グレート・マジンガー﹄では、地獄大元帥との決戦を控えた弓教授と兜剣造とのやりとりの中で﹁ボディーをニューZでつくりかえエネルギーを数倍に高めたマジンガーZ﹂とのセリフがある[31]。
(九)^ なお続編の位置付けである﹃劇場版 マジンガーZ / INFINITY﹄におけるマジンガーZの装甲は超合金ニューZになっている[32][33]。このこと︵装甲が超合金ニューZであること︶は劇中で兜甲児自身も明言している。
(十)^ 企画書[37][38]の記述からは、現実の反陽子と関係があるのかどうかは不明。
(11)^ 企画書には読み仮名が振られていなかったため、“ジーゼット”なのか“ゴッドゼット”なのかは不明。
(12)^ ﹁超合金﹂というネーミング︵商標︶は、言うまでもなく︵商品第1弾として﹁マジンガーZ﹂を発売するに際して︶﹃マジンガーZ﹄における﹁超合金Z﹂から採用された[39][40]。
(13)^ 単なるブランドとしてだけでは無く、亜鉛とダイカストの混合比や製造法が秘密とされた﹁合金﹂であり、﹁超合金﹂のパテントが取られた製品だった。
出典[編集]
(一)^ ab﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第1話における弓教授のセリフより。
(二)^ 月刊﹃テレビマガジン﹄講談社、1973年4月号、﹁3大ヒーローのひみつ100﹂55頁。
(三)^ ﹃テレビマガジン8月号増刊 マジンガーZ大百科号﹄講談社、1974年7月15日発売︵奥付表記では1974年8月15日発行︶、﹁マジンガーZ用語辞典﹂112頁。
(四)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE.48 スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄バンダイ、1992年7月20日、ISBN 4-89189-228-5、36頁。
(五)^ ﹃パーフェクト・メモワール③ マジンガーZ TV手帳﹄リイド社、1980年1月20日、ISBNコードなし、182頁。
(六)^ ﹃テレビマガジン8月号増刊 マジンガーZ大百科号﹄講談社、1974年7月15日発売︵奥付表記では1974年8月15日発行︶、﹁マジンガーZ用語辞典﹂116頁。
(七)^ ﹃テレビマガジン8月号増刊 マジンガーZ大百科号﹄講談社、1974年7月15日発売︵奥付表記では1974年8月15日発行︶、8頁﹁マジンガーZの体力測定!﹂。
(八)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE.48 スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄バンダイ、1992年7月20日、ISBN 4-89189-228-5、20-21頁。
(九)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、64-65頁。
(十)^ ﹃別冊宝島853 僕たちの好きなマジンガーZ﹄宝島社、2003年9月23日、ISBN 4-7966-3502-5、表4︵表紙裏面︶。
(11)^ ﹃マジンガーZ﹄TVシリーズ第38話、弓教授のセリフより。
(12)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、469、480頁。
(13)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE.48 スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄バンダイ、1992年7月20日、ISBN 4-89189-228-5、50頁。
(14)^ ﹃テレビマガジン8月号増刊 マジンガーZ大百科号﹄講談社、1974年7月15日発売︵奥付表記では1974年8月15日発行︶、73-106頁﹁全機械獣ものしり大百科﹂。
(15)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、﹁第4章TVシリーズ全敵ロボット大鑑 Section-1…全機械獣&妖機械獣図鑑﹂240-271頁、﹁第5章 東映まんがまつり 銀幕のマジンガー Section-7…劇場版キャラクターデザイン設定資料集 マジンガーZ対デビルマン﹂335-338頁。
(16)^ ﹃別冊宝島853 僕たちの好きなマジンガーZ﹄宝島社、2003年9月23日、ISBN 4-7966-3502-5、50-65頁﹁Dr.ヘルと奇怪な仲間たち!?﹂。
(17)^ ﹃マジンガーシリーズ40周年記念公式図録 狂機乱武-機械獣/妖機械獣・戦闘獣・円盤獣/ベガ獣の世界-﹄発行元‥グライドメディア︵現・大洋図書︶、発売元‥大洋図書、2013年5月31日、ISBN 978-4-8130-2218-3、﹁Dr.ヘルの地下帝国-機械獣/妖機械獣-の世界﹂28-87頁。
(18)^ ﹃テレビマガジン8月号増刊 マジンガーZ大百科号﹄講談社、1974年7月15日発売︵奥付表記では1974年8月15日発行︶、46-47頁﹁ダイアナンAボスボロット2大ロボットのメカニズム﹂。
(19)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE.48 スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄バンダイ、1992年7月20日、ISBN 4-89189-228-5、35頁。
(20)^ 徳間書店、月刊﹃テレビランド﹄1975年3月号、16頁﹁4人の仲間の性能くらべ﹂。
(21)^ 月刊﹃テレビマガジン4月号増刊3大ヒーロー大百科号﹄講談社、1975年3月15日発行︵奥付表記では1975年4月15日発行︶、﹁グレート★ゲッター カラー図解カード﹂7頁。
(22)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、469、485頁。
(23)^ 永井豪・著、講談社漫画文庫﹃マジンガーZオリジナル版﹄第1巻﹁マジンガーZ出現の巻﹂、講談社、1999年12月10日、ISBN 4-06-260649-6、96、100-101頁。
(24)^ ﹃テレビマガジン特別編集 マジンガーZ大全集﹄講談社、1988年1月15日、ISBN 4-06-178407-2、18頁。
(25)^ ﹃マジンガーZ Blu-ray BOX VOL.1﹄東映ビデオ株式会社、BSTD09706、2017年12月6日、ブックレットP9。
(26)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、72頁。
(27)^ ﹃別冊宝島853 僕たちの好きなマジンガーZ﹄宝島社、2003年9月23日、ISBN 4-7966-3502-5、95頁。
(28)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、486頁。
(29)^ サンエイムック﹃完全保存版 マジンガーZ大解剖﹄三栄書房、2018年2月18日、ISBN 978-4-7796-3484-0、40頁。
(30)^ ﹃テレビマガジン特別編集 マジンガーZ大全集﹄講談社、1988年1月15日、ISBN 4-06-178407-2、65頁。
(31)^ 永井豪とダイナミックプロ・著、講談社KCコミックスKC307﹃グレート・マジンガー﹄第2巻、1975年9月28日、ISBNコードなし、168頁。
(32)^ [https://www.mazinger-z.jp/robot.html 公式HP﹁ROBOT﹂解説ページより。
(33)^ ﹃劇場版 マジンガーZ / INFINITY 魔神伝説の書﹄ホビージャパン、2018年3月30日、ISBN 978-4-7986-1659-9、28頁。
(34)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE.48 スーパーロボット大図鑑1〜鉄の城編〜﹄バンダイ、1992年7月20日、ISBN 4-89189-228-5、100-105頁。
(35)^ タルカス・編﹃21st century MAZINGER FANBOOK 魔神大戦21﹄新紀元社、2013年4月23日︵奥付では2013年4月30日表記︶、ISBN 978-4-7753-1110-3、4、34頁。
(36)^ タルカス・編﹃21st century MAZINGER FANBOOK 魔神大戦21﹄新紀元社、2013年4月23日︵奥付では2013年4月30日表記︶、ISBN 978-4-7753-1110-3、41頁。
(37)^ ab赤星政尚・編﹃鉄の城 マジンガーZ解体新書﹄講談社、1998年2月7日、ISBN 4-06-330047-1、171頁。
(38)^ ab﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、408-411頁。
(39)^ 赤星政尚・編﹃鉄の城 マジンガーZ解体新書﹄講談社、1998年2月7日、ISBN 4-06-330047-1、﹁第8章 マジンガーZ秘密兵器発射!!﹂192-195頁。
(40)^ 赤星政尚、高橋和光、早川優・著﹃懐かしのTVアニメ99の謎︿東映動画 編﹀﹄二見書房、1995年1月25日、ISBN 4-576-94199-2、﹁第8章 ボクらの欲望に火をつけた…… 86|強くて大きい﹁マジンガーZ﹂を実感させた“XX計画”とは?﹂216頁。
(41)^ ﹃魔神全書 MAZINGER BIBLE﹄双葉社、2002年1月25日、ISBN 4-575-29324-5、389、392頁。