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インシデント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
重大インシデントから転送)

インシデント (: incident) は、事故(アクシデント)などの危難が発生するおそれのある事態を言う。

定義[編集]

社会セキュリティにおける定義[編集]

社会セキュリティに関する用語を定義するISOISO22300英語版、およびそれと同等なJIS Q 22300:2013 では次のように定義されている。

Incident

Situation that might be, or could lead to, a disruption, loss, emergency or crisis

「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」

—ISO22300 (2.1.15)

情報セキュリティにおける定義[編集]

情報セキュリティマネジメントシステムを定義するISO 27000、およびそれと同等なJIS Q 27000では、情報セキュリティに関するインシデントを以下のように定義している:

情報セキュリティインシデント(information security incident)

望まない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象,又は予期しない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象であって,事業運営を危うくする確率及び情報セキュリティを脅かす確率が高いもの。

—JIS Q 27000:2014 箇条 2.36

アメリカ国立標準技術研究所(NIST)のガイドラインであるSP 800-61 コンピュータセキュリティインシデント対応ガイドでは、以下のように定義している[1]

コンピュータセキュリティインシデント(事件)

組織が定めるセキュリティポリシーやコンピュータの利用規定に対する違反行為または差し迫った脅威、あるいは、標準的なセキュリティ活動に対する違反行為または差し迫った脅威を示す

NIST SP 800-61 コンピュータセキュリティインシデント対応ガイド

ITサービスマネジメントにおける定義[編集]

ITサービスマネジメントのベストプラクティスであるITIL (Information Technology Infrastructure Library)においてインシデントは以下のように定義されている[2]

インシデント

サービスの中断又はサービス品質の低下を引き起こす、あるいは引き起こす場合がある、サービスの標準オペレーションに含まれていないあらゆるイベント

ITILサービスサポート

詳細はサービスサポート#インシデント管理を参照。

航空・鉄道[編集]


762

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鉄道重大インシデントの例
  • 閉塞違反(閉塞が開通しないうちに列車が走行)- 安全側線への進入もこれに該当する
  • 進路支障(支障進路に進行を許す現示が出たり、進行を許す現示が出た進路が支障された場合)
  • 冒進(停止信号を冒進し、本線の他の進路を支障)
  • 逸走(停車場間の本線を逸走)
  • 線閉違反(工事等のため線路閉鎖している区間に列車が進入)
  • 車両脱線(列車の脱線は鉄道事故となる。)
  • 線路障害、施設障害(線路や保安施設等に安全に支障のある障害等が発生)
  • 車両障害(車両に安全に支障のある障害等が発生)
  • 危険物漏洩

インシデントの分析[編集]

SHELモデル[編集]


SHEL

S:  (Software)  

H:  (Hardware)  

E:  (Environment)

L:  (Liveware)  



LSHELL

SHEL  1972 Elwin Edwards 1975 Frank H Hawkins 

ハインリッヒの法則[編集]


129300

脚注[編集]

関連項目[編集]