鉄道橋
表示
鉄道橋︵てつどうきょう︶は、鉄道を渡すための橋梁である。
付け替え工事中のベトナム統一鉄道の鉄道橋
道路橋と対比して、鉄道橋には以下の性能が求められる。
高い断面性能︵強度︶
鉄道は道路交通に比べ、活荷重すなわち列車荷重が大きい。したがって、道路橋に比して、桁高を大きくしたり、部材厚を厚くする必要がある。
低い構造高
橋梁構造においては、橋梁下空間の確保が求められる。河川を渡る場合は計画高水位、道路や鉄道路線を渡る場合にはその建築限界を確保した上で、その上面に橋梁構造物を設けなければならない。一方で、鉄道は勾配の制限が厳しいため、急激な比高の変化には適していない。そこで、橋梁下面と線路の高さの差、すなわち構造高をできる限り低く抑える構造が望まれる。鉄道橋に下路形式が多いのは、構造高を低く抑えられるためである。
高い剛性
鉄道は路面の高さ狂いに対しての制限が厳しいため、列車荷重による﹁たわみ﹂量が厳しく制限されている。
なおかつては曲がった鉄道橋を作ることが困難だったため、鉄道橋は河川に対し直角・直線で作り、その前後の線路をカーブさせる建設方法がとられた。戦前など古い時代に作られた路線が、中規模以上の鉄道橋の前後で、不必要に大きなカーブを描いているのは、このためである。
鉄筋コンクリート製連続ラーメン形式の高架橋の例
高架橋 Bl
何を渡るわけでもないが、鉄道を地平より高くしておく必要のあるときに用いられる橋。高架式の鉄道は大半が高架橋となる。
架道橋 Bv
鉄道が道路を渡る橋である。高架式の鉄道でよく見られるほか、地平を走る鉄道でも道路が線路の下を通っている場合は、架道橋と呼ばれる。逆に道路が鉄道を渡る橋は跨線橋︵Bo︶であるが、これは道路橋の範疇である。
線路橋 Bi
鉄道が鉄道を渡る橋である。路線が分岐する駅などで立体交差にした場合や別系統の鉄道が立体交差する場合に見られる。跨線線路橋とも称される[1]。
なお鉄道と自動車の両方を通す橋のことを鉄道道路併用橋と称する。