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1990年日本グランプリ (4輪)

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日本の旗 1990年日本グランプリ
レース詳細
日程 1990年シーズン第15戦
決勝開催日 10月21日
開催地 鈴鹿サーキット
日本 三重県 鈴鹿市
コース長 5.859km
レース距離 53周(.km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'36.996
ファステストラップ
ドライバー イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ
タイム 1'44.233(Lap 40)
決勝順位
優勝
2位
3位

1990年日本グランプリ1990 Japanese Grand Prix)は、1990年F1世界選手権の第15戦として、1990年10月21日鈴鹿サーキットで決勝レースが開催された。

概要

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3度目の鈴鹿対決

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3GP9GP218

代役出場

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GP

GPF3000


予選

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予選展開

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退43011

22513613699630.2322221014

鹿2PPFISAPP1

予選結果

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予選結果[1]
順位 No ドライバー コンストラクター 1回目 2回目
1 27 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 1'38.828 1'36.996
2 1 フランスの旗 アラン・プロスト フェラーリ 1'38.684 1'37.228
3 2 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル フェラーリ 1:38.969 1'37.719
4 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1'38.374 1'38.118
5 5 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 1'39.577 1'39.324
6 20 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 1'41.041 1'40.049
7 4 フランスの旗 ジャン・アレジ ティレルフォード 1'40.052 DNS
8 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 1'40.355 1'40.664
9 19 ブラジルの旗 ロベルト・モレノ ベネトンフォード 1'41.719 1'40.579
10 30 日本の旗 鈴木亜久里 ラルースランボルギーニ 1'41.442 1'40.888
11 23 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 1'40.899 1'41.964
12 11 イギリスの旗 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 1'41.482 1'41.024
13 16 イタリアの旗 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 1'41.657 1'41.033
14 3 日本の旗 中嶋悟 ティレルフォード 1'41.208 1'41.078
15 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスランボルギーニ 1'43.111 1'41.588
16 15 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 1'42.049 1'41.698
17 29 フランスの旗 エリック・ベルナール ローラランボルギーニ 1'42.141 1'41.709
18 25 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 1'43.396 1'42.339
19 21 イタリアの旗 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 17'40.230 1'42.361
20 24 イタリアの旗 ジャンニ・モルビデリ ミナルディフォード 1'42.858 1'42.364
21 26 フランスの旗 フィリップ・アリオー リジェフォード 1'44.106 1'42.593
22 8 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 1'42.617 No Time
23 7 オーストラリアの旗 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 1'43.156 No Time
24 10 イタリアの旗 アレックス・カフィ アロウズフォード 1'43.270 1:43.887
25 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 1'43.304 1'43.610
26 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 1'43.601 1'43.647
DNQ 14 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード 1'43.993 1:43.782
DNQ 17 イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード 1'44.281 29'56.038
DNQ 18 フランスの旗 ヤニック・ダルマス AGSフォード 1'44.410 1'46.326
DNQ 31 ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー コローニフォード 20'22.535 1'45.393
  • 太字はベストタイム、DNSは不出走(Do Not Start)、DNQは予選不通過(Do Not Qualify)。

決勝

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決勝展開

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事前状況

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U鹿退

12調172[2]825

スタートの波乱

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過去3年間の日本GP決勝は曇りか雨の天気だったが、この年は夏を思わせる快晴の天候に恵まれた。幸運にもチケットを手に入れて鈴鹿を訪れた14万の大観衆の視線は、フロントローに並ぶセナとプロストに集中した。

グリーンシグナルが灯った瞬間プロストが好ダッシュを決め、セナの前に出た。プロストはミラーでセナの位置を確かめ、マシンを軽くアウト側に振ってから1コーナーにアプローチした。セナはそのインへ飛び込み、左フロントタイヤがプロストのマシン後部に接触。両者は弾かれたようにサンドトラップに突っ込み、濛々と砂煙が上がった。相討ちによりスタート後わずか8秒でセナの2度目のタイトル獲得が決定。ライバル対決は前年に続いて後味の悪い結末を迎えた。マシンを降りた2人は言葉も交わさず、前後に距離をおいてピットへと歩いた。前年の日本GPで起きたセナとプロストの接触ではセナの失格となっており、プロストはコントロールタワーに行きセナの危険な行為を訴えたが、審判団は前回と異なり接触を通常のレーシングアクシデントとして処理した。

この裁定についてモータースポーツジャーナリストのルイス・バスコンセロスは、当時現場で公然と裁定に介入していたジャン=マリー・バレストルが前年のレースと異なり来日せずにパリのFIA本部におり、そうじゃなかったらどうなっていたことかと指摘している[3]

後日談として1年後の日本GP決勝終了後、このスタート直後の接触についてセナは記者会見の席で、ポールポジショングリッドの変更を認めなかったバレストルに非があったと主張し「'90年の鈴鹿では、バレストルが予選後にパリから命令を出して僕を不利な場所に座らせた。心底頭に来たよ。この茶番によって、スタートでプロストに抜かれて先頭を失うようなことになったら、ファーストコーナーで後先は考えないで突っ込んでやるって決心したんだ。あれは政治家(バレストル)が下らない、最低の決断をし続けてきた結果だ。」と確信的な撃墜行為だったことを告白した[4]

ベネトンのワンツー走行

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421

調23B2683

242GP1987GP321退10

日本勢の健闘

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7265353P33[5]1[5]F12[5]鹿

3616

20212

決勝結果

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決勝結果[6][7]
順位 No ドライバー コンストラクター 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 20 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ベネトンフォード 53 1:34'36.824 6 9
2 19 ブラジルの旗 ロベルト・モレノ ベネトンフォード 53 +7.223 8 6
3 30 日本の旗 鈴木亜久里 ラルースランボルギーニ 53 +22.469 9 4
4 6 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ウィリアムズルノー 53 +36.258 7 3
5 5 ベルギーの旗 ティエリー・ブーツェン ウィリアムズルノー 53 +46.884 5 2
6 3 日本の旗 中嶋悟 ティレルフォード 53 +1'12.350 13 1
7 25 イタリアの旗 ニコラ・ラリーニ リジェフォード 52 +1 Lap 17  
8 23 イタリアの旗 ピエルルイジ・マルティニ ミナルディフォード 52 +1 Lap 10  
9 10 イタリアの旗 アレックス・カフィ アロウズフォード 52 +1 Lap 23  
10 26 フランスの旗 フィリップ・アリオー リジェフォード 52 +1 Lap 20  
Ret 11 イギリスの旗 デレック・ワーウィック ロータスランボルギーニ 38 ギアボックス 11  
Ret 12 イギリスの旗 ジョニー・ハーバート ロータスランボルギーニ 31 エンジン 14  
Ret 9 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート アロウズフォード 28 エンジン 24  
Ret 2 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル フェラーリ 26 ドライブシャフト 3  
Ret 21 イタリアの旗 エマニュエル・ピロ ダラーラフォード 24 エンジン 18  
Ret 29 フランスの旗 エリック・ベルナール ラルースランボルギーニ 24 エンジン 16  
Ret 24 イタリアの旗 ジャンニ・モルビデリ ミナルディフォード 18 スピン 19  
Ret 16 イタリアの旗 イヴァン・カペリ レイトンハウスジャッド 16 エンジン 12  
Ret 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス ダラーラフォード 13 スピン 25  
Ret 15 ブラジルの旗 マウリシオ・グージェルミン レイトンハウスジャッド 5 エンジン 15  
Ret 7 オーストラリアの旗 デビッド・ブラバム ブラバムジャッド 2 スピン 22  
Ret 28 オーストリアの旗 ゲルハルト・ベルガー マクラーレンホンダ 1 スピン 4  
Ret 8 イタリアの旗 ステファノ・モデナ ブラバムジャッド 0 接触 21  
Ret 27 ブラジルの旗 アイルトン・セナ マクラーレンホンダ 0 接触 1  
Ret 1 フランスの旗 アラン・プロスト フェラーリ 0 接触 2  
DNS 4 フランスの旗 ジャン・アレジ ティレルフォード   体調不良 7  
DNQ 14 フランスの旗 オリビエ・グルイヤール オゼッラフォード        
DNQ 17 イタリアの旗 ガブリエル・タルキーニ AGSフォード        
DNQ 18 フランスの旗 ヤニック・ダルマス AGSフォード        
DNQ 31 ベルギーの旗 ベルトラン・ガショー コローニフォード        
  • 太字は入賞者、DNSは不出走(Do Not Start)、DNQは予選不通過(Do Not Qualify)。

データ

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大会
  • 大会名 - 1990年 FIA F1世界選手権 フジテレビジョン 日本グランプリ (1990 FIA Formula One World Championship Fuji Television Japanese Grand Prix)
  • 開催日 - 1990年10月19日 - 10月21日
  • 開催地 - 鈴鹿サーキット
  • 主催 - 鈴鹿サーキットランド/鈴鹿モータースポーツクラブ
  • レース距離 - 310.527km(5.859km×53LAP)
  • 決勝日観客 - 141,000人
  • 決勝日天候 - 晴れ
記録
  • ポールポジション - アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ) 1分36秒996
  • 優勝 - ネルソン・ピケ(ベネトン・フォード) 1時間34分36秒824
  • ファステストラップ - リカルド・パトレーゼ(ウィリアムズ・ルノー) 1分44秒223(LAP40)
  • ラップリーダー - ゲルハルト・ベルガー(LAP1)→ナイジェル・マンセル(LAP2 - 26)→ネルソン・ピケ(LAP27 - 53)

参考文献

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  • 柴田久仁夫「F1ジャーナリスト座談会 ダークサイドの境界線 」『AUTOSPORT No.1561』2021年10月15日号、三栄書房、2021年、14-15頁。 

脚注

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(一)^ GRAND PRIX EXPRESS-1990 ROUND15 JAPAN 199042

(二)^ GPX 1990GP 43 1990118

(三)^ AUTOSPORT No.156114-15

(四)^ 1991   '91GP10  19911123

(五)^ abcGP Car Story Vol.09 Lola LC90201431-32

(六)^ GRAND PRIX EXPRESS-1990 ROUND15 JAPAN 6 - 7

(七)^ 1990 Japanese Grand Prix (). The Official Formula 1 Website.  Formula One Administration Ltd. 2010521

関連項目

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外部リンク

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前戦
1990年スペイングランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年オーストラリアグランプリ
前回開催
1989年日本グランプリ
日本の旗 日本グランプリ 次回開催
1991年日本グランプリ