al-Amal
表示
al-Amal | |
---|---|
所属 | ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター |
公式ページ | Emirates Mars Mission - ウェイバックマシン(2018年3月7日アーカイブ分)[リンク切れ] |
国際標識番号 | 2020-047A |
カタログ番号 | 45918 |
状態 | 運用中 |
目的 | 火星探査 |
観測対象 | 火星 |
打上げ場所 | 種子島宇宙センター |
打上げ機 | H-IIAロケット42号機 |
打上げ日時 | 2020年7月20日午前6時58分14秒 (JST)[1][2] |
軌道投入日 | 2021年2月9日 |
物理的特長 | |
質量 | 1500 kg |
発生電力 | 600 W |
周回対象 | 火星 |
軌道 | 火星の軌道 |
al-Amal︵アル・アマル[3][注 1]、アラビア語: الأمل、"希望"の意︶、もしくはHope︵ホープ︶[7]は、アラブ首長国連邦︵UAE︶の火星探査機。"Hope Probe"︵ホープ・プローブ、阿: مسبار الأمل︶と表現されることもある[8]。
UAE構成国の一つドバイ首長国の政府宇宙機関であるMBRSC[注 2][9]が、UAEの建国50周年を記念し2021年の火星到達を目指して計画、開発を行い、2020年7月に打ち上げられた[1][2]。ミッション全体の名称は、Emirates Mars Mission︵エミレーツ・マーズ・ミッション︶と表現される[9][8]。
概要[編集]
日本時間の2020年7月20日に日本の種子島宇宙センターからH-IIAロケット42号機で打ち上げられ[1][2]、2021年2月9日に火星周回軌道に入った[10]。 探査機を火星周回軌道へ投入することに成功したのは、米国、ソ連(ロシア)、欧州、インドに次いで5番目で、中東・アラブ諸国では初の偉業となる。 ホープは5月には、火星の周回軌道上からの観測を開始し、気象、大気散逸、固体についての火星総合探査を予定するとなっている[11]。特に、下層大気の本格的な観測は初となる[12]。 火星がなぜ死の惑星になったのかという長年の謎の究明に挑む。構造[編集]
重量1.5トンのアルミニウム・ハニカム構造の六角柱状をしていて探査機としては比較的オーソドックスな600ワットの発電出力の3枚の展開式太陽電池パドルを装備する[11]。奇をてらわずに堅実に手堅くまとめた仕様であるといえる。 ●全長‥2.9メートル ●幅‥2.37メートル ●構造‥軽量アルミニウム・ハニカム ●重量‥1500キログラム ●電源‥3枚の展開式太陽電池パドル ●電気出力‥600ワット ●通信 ●1.5メートルの高利得アンテナ ●無指向性の低利得アンテナ ●誘導スタートラッカー ●太陽センサ ●姿勢制御‥推力5ニュートン化学スラスター×8基から12基 ●3軸姿勢制御用リアクションホイール ●推進系‥推力120ニュートン化学スラスター×4基から6基 推進器は推力120ニュートンのスラスターを4基から6基搭載する予定で冗長性を確保する狙いがあると想定される[11]。予定される観測項目[編集]
搭載される観測装置は日本がかつて火星探査に挑んだのぞみでは500キログラムの機体に14台の観測機器を搭載していたのとは対照的に3台に絞り込んでいる。
●Emirates eXploration Imager︵EXI︶
高解像度のカラー画像撮影や、火星大気中の氷や砂塵、オゾンの観測を実施予定[11]
●Emirates Mars Ultraviolet Spectrometer︵EMUS︶
紫外線を利用して、火星全体の上層大気からの酸素や水素の離脱の過程を観測予定[11]
●Emirates Mars InfraRed Spectrometer︵EMIRS︶
赤外線を利用して、火星大気の温度分布だけでなく、氷、水蒸気、塵を観測予定[11]
歴史[編集]
●2020年4月20日 - 打ち上げ地である日本への輸送が開始された[13]。 ●2020年5月18日 - 三菱重工が7月15日︵予備期間8月13日まで︶に打ち上げる計画を発表した[7]。 ●2020年7月20日 - 日本時間午前6時58分14秒に種子島宇宙センターから打ち上げられた。[1][2] ●2021年2月9日夜︵日本時間10日未明︶ - 火星周回軌道投入[10]。 ●2021年2月11日5時36分 (JST) - アラブの探査機としては初の火星画像を撮影[14]。2月14日に公開された。脚注[編集]
注釈
出典
(一)^ abcd“日本のH-IIAロケット打ち上げ成功 UAEの火星探査機を搭載”. スプートニク (2020年7月20日). 2020年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月20日閲覧。
(二)^ abcd“ロケット打ち上げ情報 予定(計画)と結果”. 宇宙技術開発株式会社. 2020年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月20日閲覧。
(三)^ “アラブ首長国連邦、火星探査に名乗りを上げる。2020年に探査機打ち上げ予定”. スラド. 2017年2月11日閲覧。
(四)^ “石油大国のUAE﹁石油時代後に備え﹂火星探査機打ち上げ…韓国留学派がプロジェクト総括”. 中央日報日本語版 (2020年7月21日). 2020年7月23日閲覧。
(五)^ “UAEの火星探査機﹁ホープ﹂、種子島から打ち上げ”. xtech.nikkei.com (2020年4月20日). 2020年7月25日閲覧。
(六)^ “第199回 どこでもサイエンス 2021年の火星探査、どうなっとんかなー?(最新探査機編)”. マインビニュース. 2021年2月7日閲覧。/
(七)^ ab“H-IIAロケット42号機によるUAE火星探査機﹁HOPE﹂の打上げについて”. 三菱重工 (2020年5月18日). 2020年6月5日閲覧。
(八)^ ab“エミレーツ・マーズ・ミッションが探査機﹁ホープ・プローブ﹂打ち上げのライブ・ストリーム・リンクを発表”. businesswire.com (2020年7月14日). 2020年7月25日閲覧。
(九)^ ab鳥嶋真也﹁三菱重工、H-IIAロケット42号機を出荷 - 7月に火星探査機を載せて打ち上げ﹂﹃マイナビニュース﹄2020年6月15日。2020年7月5日閲覧。
(十)^ ab“UAE探査機、火星軌道に到達 アラブ初”. AFPBB News (2021年2月10日). 2021年2月10日閲覧。
(11)^ abcdef“日本が打ち上げるUAEの火星探査機﹁アル・アマル﹂”. ともにゃんBLOG (2016年3月23日). 2017年2月11日閲覧。
(12)^ “UAEによる最初の火星探査ミッションが、いま日本の地から始まろうとしている”. WIRED.jp (2020年7月9日). 2020年7月13日閲覧。
(13)^ “UAEの火星探査機﹁ホープ﹂日本に向けて出発。7月にH-IIAロケットで打ち上げ予定”. sorae.jp (2020年4月22日). 2020年4月24日閲覧。
(14)^ “軌道上から眺める火星 UAEの探査機﹁HOPE﹂が撮影”. sorae (2021年2月15日). 2021年2月16日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Emirates Mars Mission - ウェイバックマシン(2018年3月7日アーカイブ分) - 公式サイト
- مسبار الأمل