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﹃Caladrius﹄︵カラドリウス︶は、2013年4月25日にモスより発売された[2]Xbox 360用ゲームソフト。2013年9月24日にXbox Live︵ゲームオンデマンド︶版が配信された[3]。
2013年9月30日にはアーケード版﹃Caladrius AC﹄︵カラドリウス エル・シエル︶が稼働開始。
2014年8月26日には、Xbox 360版とアーケード版の要素を全て収録し新しいシナリオ・ステージ・キャラクターなどを追加したPlayStation 3版﹃Caladrius BLAZE﹄︵カラドリウス ブレイズ︶が発売された[4][1]。また、2017年10月4日よりPlayStation 4版がPlayStation Plus加入者限定で配信され[5]た後、2018年7月5日に一般販売され、2019年7月18日にはNintendo Switch版が発売[6]。
ステージクリア方式の縦スクロール型シューティングゲーム。モス創立20年目にして初のセルフパブリッシング︵自社販売︶タイトルである。サブショット攻撃の多様化やファンタジー風の世界観、イラストレーター・ヤスダスズヒトの起用によるキャラクター性を前面に打ち出したゲームデザインにより、﹃雷電﹄シリーズなどモスが過去に制作したシューティングゲームとの差別化が図られている。
約5年ぶりのXbox 360向け自社開発になる本作品について、プロデューサーの駒澤敏亘は、シューティングゲームのファンだけでなく、若いユーザーにも遊んでもらいたいという思いから制作したと述べている[7]。ディレクターの星野仁は過去に自らが手掛けた﹃雷電﹄シリーズではできなかったことをやろうと想い皆に興味を持ってもらおうと動いた結果、独自の世界観やシナリオ、そして羞恥ブレイクなどにつながっていったと話している[7]。
ゲームの先が見たいというライトユーザーの想いにこたえる一環として、敵弾がなかったり被弾してもミスにならないステージを用意したと星野は話す一方、駒沢はヘビーシューターへのアピールとしてXbox 360というプラットフォームを選んだと話している[7]。
システム[編集]
本作品では、攻撃手段として通常のショット以外に性能の異なるエレメントシュートが用意されている。エレメントゲージは3種類あり、エレメントシュートを用いるとゲージが消費されるが、時間が経つかステージ道中にあるエレメントコアを取得することで回復する。ただしエレメントコアの効果は一時的で、時間が経つと効能が弱まる。エレメントシュートで敵にダメージを与えてエーテルゲージを満たすと、エーテルチップが生成される。エーテルチップはエレメントシュートの強化に役立つ。また、通常のボムの他に、エレメントゲージが全部50%以上の時のみ使用可能な﹁エレメントバースト﹂もある。さらに、機体にダメージを与えることで搭乗者の肉体と被服にダメージが加わるシステム﹁羞恥ブレイク﹂があり、30秒以内に相手の体力ゲージを空にすると発動する。なお、プレイヤーキャラクターも羞恥ブレイクの対象で、撃破された時にメダルを30枚以上所持していると発動する。
カラドリウスAC[編集]
ALL.Net P-ras MULTI向けにリリースされた本作では、﹁オリジナルモード﹂と﹁アーケードモード﹂の2つのモードが搭載された。オリジナルモードはXbox 360版を基にしているのに対し、アーケードモードは難易度が上がりミッションモード2つが追加されているほか、フュージョンという新たなシステムが搭載されている。これを発動すると、画面全体の敵弾がすべてなくなり、プレイヤーは専用のゲージが空になるまでエレメントシュートを放つことができる。アーケードということもあり羞恥ブレイクが家庭用2作と比べて大人しめになっており、ボス戦後の一枚絵はブレイズで登場する追加キャラ二人を除いたメンバーでの旅の様子を描いたものになっている。
カラドリウス ブレイズ[編集]
PS3向けに製作された本作では、Xbox 360版準拠の﹁オリジナルモード﹂、AC版準拠の﹁アーケードモード﹂に加え、新しく﹁エボリューションモード﹂が搭載された。エボリューションモードでは、EXTERNALステージが追加され、新しい特殊攻撃システム﹁エボリューション﹂が搭載された[8]。このシステムはエレメントゲージが50%以上の時に発動させることができる。発動時に敵と敵弾を消滅させ、その後一定時間パワーアップする。終了時にはすべてのエレメントゲージを消費する[8]。また、これらのモードの他にも﹁ボスラッシュモード﹂と﹁スコアアタックモード﹂が搭載されている[8]。
ストーリー[編集]
錬金術師パラケルススは元素︵エーテル︶の制御方法を発見し、世界は技術的進化を遂げた。だが、彼は人間の魂を用いた"禁呪"という恐るべき技術をも開発していた。彼の子孫は禁呪を守り続けながらもひっそりと暮らしていたが、サザラ共和国を形成するバラダン王国のグラハムの教唆により一族の者が禁呪を持ち出したことにより、その平穏は終わった。グラハムは禁呪を持ち出した者は幽閉し、一族を皆殺しにすると、禁呪を用いて国民の魂から兵器を作り出した。
たまたまその場にいなかった守護騎士団長アレックス、教会からの使者マリア、一族の生き残りであるケイはそれぞれパラケルススの遺産である"空を翔る銀の翼"を用いて、狂える王に立ち向かった。