浅黄地に扇ながしの
四条
小鳥の巣
見上げたる高き
胸ひかる小鳥のつがひ、
もろともに
一すぢの細き藁屑、
まめやかに、いぢらしきかな、
日のあたる南に向きて、
こもりたる青葉の蔭に、
巣を作る
春の日は若き
花の木に枝うつりして、
霜と雨、風をも凌ぎ、
歌ひけん、岡より岡へ。
初夏の小鳥のこころ
今は唯だ生むを楽み、
雛のため、高き木間に
巣を作る頬白のわざ。