読み切りは、お話としての完成度を見られる部分があり、キャラクターの見せ方は窮屈になりがちです。
しかし、いくら切れ味の鋭い読み切りを描いても、連載へと繋がるとは限らない。
私個人は、読み切り作品と連載作品は別物と考えています。
キャラクターを前面に押し出すと、ストーリーが止まってしまうのです。
ページも食いますし。
逆にストーリーを優先すると、キャラクターの見せ場が減る。
50ページもあるような読み切りなら、その辺のことは解消できる可能性が出て来ます。
週刊連載で、1回目に多くのページを割くのは、物語の世界観の提示や、キャラクターの紹介をしなくてはならないから。
さらに、最初の事件を入れないことには、読み応えも確保出来ません。
漫画作品は、誤解を恐れずに言えば、キャラクターを追いかける旅です。
主人公の追っかけをやるのが、読者の役目。
もちろん、主人公の熱烈なファンであることが、望ましい。
構成を意識するのが、読み切り作品。
キャラクターを意識するのが、連載作品。
読み切りでは、キャラクターは、限られたページの中で、期待される一定の役割を果たしてくれれば良い。
連載では、キャラクターが物語をグイグイ引っ張って行ってくれないと困る。
キャラクターが動くことによって、新しい出会いや衝突が生まれ、化学変化が広がる。
または、水面に投げた石が波紋を広げていくような動き。
要するに、読み切りと連載では、考える順番が逆ということですね。
ここで書いたように、全ての作品がクッキリと分かれている訳ではないと思いますが、傾向というものはあると思います。
音楽でも、曲先と詞先というのがあるそうです
メロディーが先に出来て、後から詞をあてはめるのが、曲先。
逆に、詞があって、それにメロディーを付けて行くのが、詞先。
どちらがやりやすいかは、人によって違うらしいです。
面白いですね。