2月の大雪なら屋根落ちる? 新国立競技場、設計見直し
朝日新聞デジタル3月28日

このニュースから1か月たとうとしていますが、進捗ありません

なぜなのか

新国立競技場の基本設計が終わらない理由1










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ヨン・ウッツォン自身構造のイメージは持っていて、
模型の案には一定の合理性があったのです。



その可能性を見抜いたのが審査委員長のエーロ・サーリネンだったんですね。





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Main archtruss)





これはどういう仕組みかというと、落ちそうな石が隣り合った石を押し合うことで落ちないで地面に垂直に荷重を伝達できるのです。
ローマの時代に大いに発展しているのは皆さんご存じと思います。











では、岩盤ではない普通の地盤の場合はどうか?というと、
机じゃなくてもっと柔らかいもの、スポンジよりも固くて多少粘りのあるような、、










それは、巨大なスラストの発生です。
スラストというのは、ちょうど氷の上でスケート靴履いて外向きに股を広げたらどうなっていくかを想像していただくとわかりやすいでしょう。

手近にあったティッシュペーパーの箱の蓋を切って実験してみました。
軽く曲げるだけで自重は支えられるアーチになったようですが


ということになってしまいます。

そこで、ちょっと細工をしてみたのがこれです。










なんか、メインアーチの周りの縁も大層デカいんですが、主構造に絞って現在どのようになっているかを分析してみましょう。
断面形状をわかりやすく模式化するとこうなっています。

メインアーチの端部よりも競技フィールドは下がっているため、そこにタイバーとかを通すことはできません。

無理に入れようとするとこうなります。


競技観戦どころではないですね。
ただの使えない橋の周りに屋根かけた状態です。


なので、上からのパースを見ても空間です。水平部材はない。
とすると、基礎梁でスラスト抵抗を負担させるのか?ということになり、途中から地中に埋まっていくのですが、実質の橋のスパンが今まで以上に大きくなり600mを超えてきます。



Thrust block foundation





これだけのスパンの横力をもっとも非合理な垂直方向に向かって、引き抜きで対処しようというものですが、
これが、国立競技場周辺の地盤データです。


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Thrust block foundation









地下ホームがちょうど地下30mくらいだから、
斜めにアンカーするのはかなり危険だと思いますしそもそも地盤が、データ見る限りシルトから細砂とかだからまだ「ういろう」状態だと思うんですよね。

このアーチのライズとスパンと敷地断面を模式化してみるとこんな感じです。
















この工事中の橋のはしっこに見えるスラストブロックの部分、ぱっと見ちょっとした川の土手?コンクリートの護岸?くらいに錯覚しそうですが


とてつもなくデカいです。
5~6階建てのビルくらいあります。


ソチは地盤がいいのか、
杭打たないで、地面に鉄板敷いて直接基礎みたいなのですが、この根本部分で原発工事並みの物凄い鉄筋工事やっています。


現場の周りも空いているし、すぐ海ですしね。


五輪の実行委員に選ばれた方々も今回のコンペ審査員の先生方も、
ソチのドーム計画を調べてみれば、新国立競技場のコンペ案が非常に危ういものであると分かっていただけるんじゃないかと思います。


とくに新国立競技場コンペの建築審査員の方々はもしかしたら、その見識は本当にデザイン(見た目の形)のみで、構造エンジニアリングや技術的知識や施工や実施設計について、今まで人任せでなんにも考えてきてないんじゃないか、、、とすら思えてくる事態なんです。

終わり