日本独自の発達を遂げた宅配システムは、ついに首都圏などかなり広い範囲で﹁当日配達﹂が可能になるほどスピードアップした。その原動力は、ネット通販の世界最大手であるアマゾンだ。同社の当日配達実施率は、人口ベースで全国の8割近くまで達した。ネットで注文したその日のうちに商品が届くうえ、ほとんどのケースでは送料がかからない。︵フジサンケイビジネスアイ︶ だが、宅配業者にとってアマゾンについていくのは、容易なことではない。宅配便2位の佐川急便は、今年4月にアマゾンとの取引のほとんどを返上した。数量の変動が大きく、時間指定を含めサービスの要求水準が高い一方で、対価は極めて低かったからだ。 2000年にアマゾンが日本に進出したときには、日本通運の﹁ペリカン便﹂が宅配業務を担当していた。それを佐川が引きついで、業界首位のヤマト運輸とともにアマゾンの配送を支えてきた。今回、佐川が撤退を決めたことで、アマゾン