性的快楽の﹁不文律﹂ 男女の性行為を描くポルノグラフィーを思い浮かべてほしい。みなさんの頭の中には、江戸時代の春画のように男女が対称的にからみあう図ではなく、よがり声をあげる裸の女性が思い浮かんだのではないだろうか。そう、現代日本の大半のポルノにおいて大写しになるのは、男性の身体ではなく、女性の身体なのである。 これは、男性向けのポルノ作品だけでなく、実は、女性向けの作品においても、基本的に変わりない。現代の日本において、性的快楽なるものは、男性の行為によって、女性にもたらされるものであるという不文律が存在している。 こうした﹁お約束﹂は、ポルノのなかだけではなく、現実の男女の意識や行動のなかにも息づいている。﹁感じさせられる女﹂であるために、女性が男性とのセックスにおいて﹁感じているふり﹂をすることは珍しくない。翻って男性は男性で、女性をリードし、﹁感じさせる男﹂でなければならないという
![「感じさせられる女」「感じさせる男」という役割は、いつ生まれたか(田中 亜以子) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/720730e59950c8361278bcfe510979dacd8d1938/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F3%2F5%2F1200m%2Fimg_35c8801370b77b3127bec52414e7b11838776.jpg)