歴史的な記録を保存・継承する﹁世界の記憶︵旧・記憶遺産︶﹂で、ユネスコ︵国連教育科学文化機関︶が、日本関連候補の一部の﹁政治的案件﹂を審議対象から外す方針であることがわかった。﹁世界の記憶は保存が目的。歴史的な判定や解釈はしない﹂との理由。2年前の﹁南京大虐殺の記録﹂の登録が政治問題化したのを機に、選定方法の見直しを進めているためとみられる。 通知があったのは、憲法9条の発案者が幣原︵しではら︶喜重郎・元首相とする資料︵申請・日米などの市民ら︶。 資料は、秘書だった平野三郎・元衆院議員が幣原氏から聞き取った文書や、マッカーサー・GHQ最高司令官の米上院委員会での証言記録などで、昨年申請された。現在、9条の発案者はマッカーサー氏との説が有力だが、文書によると幣原氏は戦力不保持を盛り込むようマッカーサー氏に提案したという。 共同申請者で作家の荒井潤さんによると、事務局が今年4月、関係機関の同意