柏端の『コミュニケーションの哲学入門』は単なる入門書ではなく. 大きく四つの積極的な主張を含む野心的な著作である. すなわち, 1. コミュニケーションとは「メッセージ」を送る行為である. 2. コミュニケーションに言語使用は必要でも十分でもない. 3. コミュニケーションの核となる行為は独特な自己言及的要素を持つ意図を伴った行為として分析される. 4. コミュニ ケーションには思考の言語も必要ではない. というのが柏端の打ち出す見解だ. とりわけ本書の独創性が見られるのは. 非自然的意味(話し手の意味)の分析において自己言及的意図を持ち出す立場へのサポートとして柏端が展開する議論である. 柏端はそこで. 心的態度そのものと文による心的態度の記述とを峻別するという見解に基づき. 自己言及的意図への依拠を無害化しようと試みているのである. 本稿では柏端の議論を要約. 補足するとともに. 柏端
週刊誌の発売日を指折り数えて待つことなんて久しくなかった。 発売日には文書砲そっちのけで、まずこの連載のページを開き貪り読んだ。 スポーツノンフィクションの傑作といえば、誰もが山際淳司の『江夏の21球』をあげるだろう。もちろん異論はない。ただあの作品は「永遠のマスターピース」というべき傑作だし、ぼちぼち新しく語り継がれる作品が現れてもいいのではと思っていた。 そんな時にこの連載がスタートした。たちまち引き込まれた。毎回、心震わせ、胸を熱くさせられながら読んだ。スポーツノンフィクションの傑作が生まれつつあるのを、今まさにリアリタイムで目撃しているという興奮をおぼえた。 『嫌われた監督』は、スポーツノンフィクションの歴史に新たに名を連ねる傑作である。『週刊文春』の連載をもとに新たな取材と大幅な加筆修正がなされ、連載を読んだ人もふたたびあの興奮を味わえる一冊になっている。 「嫌われた監督」とは、
実話BUNKA超タブー2023年1月号 コンビニ・書店で12/2より発売中 偶数月2日発売(次号は2月2日発売) 特別定価650円(税込) ▼自民党の裏切りを許さない旧統一教会の逆襲▼今更コロナワクチンを恐れ始める算数のできないバカ▼「ブレイキングダウン」と朝倉未来のダサい身内ノリ▼ジュリー氏&妻の傀儡となった木村拓哉▼中国の台湾への攻撃が迫っても軍備増強を拒否する左翼は馬鹿▼合同結婚したい中年男がバトル 統一教会入信選手権▼「富士そば」地獄の超長時間労働と残酷な仕打ち▼慶應幼稚舎出身者が語る上級国民の生活▼多種多様だけどどれもまずいラーメン大図鑑▼「日本は格差が拡大している」&「格差は悪」という大間違い▼DHC身売りで偏向報道番組が終了 ネトウヨ論客たちの終焉▼ソーセージ好きグラドルが人気定番商品24品を食べ比べ▼1ランク上のAVの楽しみ方▼サッカー日本代表監督無能ランキング▼自分より下
時宜に適したという言葉が、今現在これほどどんぴしゃに当てはまる本はないでしょう。水島治郎さんより新著『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』(中公新書)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。 http://www.chuko.co.jp/shinsho/2016/12/102410.html イギリスの国民投票でEU離脱が多数を占め、アメリカではトランプが大統領に当選するという「アヌス・ホリビリス」の年末を飾るにふさわしい本ですが、例によってすっぽこすっぽこ刊行される粗製濫造新書と違って、そこはさすが中公新書、かつて『反転する福祉国家』でオランダモデルともてはやされるオランダの「影」の部分と、しかしそれが「光」と表裏一体であることを見事に浮き彫りにして見せた水島さんの手により、現代ポピュリズムを論じる際に必携の一冊となっています。 イギリスのEU離脱、反イスラム
満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書) 作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/20メディア: 新書購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (49件) を見る 岩波新書は新赤版になってから重量級の作品が増えたような気がするが、この1冊も新書とはとても思えない内容のヘビーさ。というか新書で紙幅が限られているので余分な説明がそぎ落とされているせいか、僕なんかは3回最初から読み直してようやくだいたいの内容が頭に入った始末。このような本格的な啓蒙書と、20分間くらいで読めてしまいそうなカジュアル本と同じ「新書」というカテゴリーでくくってしまってよいのだろうか、というのはひとまずおいとくとして・・ 本書の特色をあえて言うなら、「条約と国際法」の解釈をめぐるすれ違い、という観点から1930年代前後の日中関係の複雑さおよび戦争にいたる
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