昨年秋、老華人企業家の伝記がシンガポールと香港で発売されるや中華圏でブームを呼び、総選挙︵5月9日実施︶を前にしたマレーシアでは政治的波風まで引き起こした。 書名は英文版が﹃ROBERT KUOK A MEMOIR WITH ANDREW TANZER﹄︵シンガポール・Landmark社︶で、中文版が﹃郭鶴年自傳 郭鶴年口述 Andrew Tanzer 編著﹄︵香港・商務印書館︶。 郭鶴年︵ロバート・クオック︶――。1923年、マレーシアのジョホール生まれ。1960年前後には﹁砂糖王﹂と呼ばれ、1970年代末には拠点を香港に移して﹁嘉里︵Kerry︶集団﹂を率いて物流、シャングリラ・ホテル・チェーン、不動産開発、メディア業界などで辣腕をふるう。北京中枢とも太いパイプを持ち、中国市場でも派手なビジネスを展開し、数年前に香港からマレーシアにUターンした本人が、華人企業家としての自らの人生を振り