﹁その漫画なら全巻持っている﹂、けれど﹁愛蔵版﹂や﹁完全版﹂という言葉に購買意欲をくすぐられるのは、作品のファンだからなのだろうか……。フランスでもいま、既存作品の﹁デラックス版﹂が急増している。その要因は、漫画市場の成熟だけではない。どうやらその裏には、フランス人の国民性、そして漫画への熱い思いが隠されているようだ。 フランスの漫画市場は、いまのところとても好調だ。しかし、この先の落ち込みを避けるためには、自己改革の必要がある。たしかに、2022年にフランスで販売されたコミック類﹁バンド・デシネ﹂の2冊に1冊以上が日本の漫画だった。だがいっぽうで、民間調査機関GfKのデータによると、2023年の1月から5月には、発行部数ベースで前年同期比18%の売り上げ減少が見られた。 競争が激しい漫画業界では昨今、いわゆる﹁デラックス版﹂が増えてきている。これらは特定の作品の刷新のため、カラーページを
![フランスでの日本漫画「デラックス版」急増が意味すること | 理由は漫画市場の成熟のみならず](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0375c10d563076c64428635097ade337c6e732ff/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2024%2F01%2F15203407%2F240114GettyImages-856505508.jpeg)