米朝協議が暗礁に乗り上げている。7月7日付の北朝鮮外務省報道官声明は、平壌で開催された高位級会談で﹁︵米国は︶一方的で強盗のような非核化要求だけを持ち出し﹂、その﹁態度と立場は実に遺憾極まりないもの﹂と批判した。6月12日のシンガポールでの米朝合意について、北朝鮮は﹁全条項に関するバランスの取れた履行﹂を強調する。 意外に理解されていないが、1993~2008年の間、米朝は国交改善を前提に、﹁非核化﹂や﹁国際テロ﹂などについて少なくとも10本の合意文書や声明を発表している。﹁北は過去に非核化の約束を破った﹂とよく指摘されるが、実は﹁非核化﹂だけに特化した米朝合意などない。いずれも﹁米朝関係の正常化﹂と﹁非核化﹂がパッケージの合意だ。今や米国では﹁非核化の合意﹂としてのみ記憶されるが、北朝鮮からすれば﹁米朝関…
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