哲学者サルトルとボーボワール、最近では経済学者のトマ・ピケティ氏など、フランス知識人は常に、新思想で世界をリードしてきた。目下、最先端の流行は「イスラム左翼」。これまでとは違う形で、仏学界が大論争を展開している。(パリ 三井美奈) イスラム左翼の特徴は、相手の言論の封殺。「植民地主義者」「差別論者」とみなした標的に、ネットやデモで猛烈な抗議を仕掛け、発言の場を奪う。米国では、少数派差別に少しでも加担するような発言をした著名人を糾弾し、公の場から排除する「キャンセル・カルチャー」が強まっているが、そのフランス版と言えば、近いだろう。 論議の始まりは、ビダル高等教育・研究相が2月半ば、テレビ番組で「イスラム左翼が社会を腐敗させている」と糾弾したこと。パリ・ソルボンヌ大の劇上演会が急進的左派のデモ隊乱入で中止された例を挙げ、大学の実態調査を行うと宣言した。専門家の調査機関を組織し、大学に被害の情
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