香港人活動家の尖閣上陸で始まり、19日の日曜日には中国各地での反日デモにまで発展した騒ぎに、﹁これからどうなるのだろう﹂と感じている日本人は少なくない。わたし個人は逆に中国人の方が泰然としているという気がしている。というのも中国人はある意味、単純明確に﹁領土問題﹂としてこの事件をとらえているのに対して、逆に日本側には見えていない点があまりにも多く、その状態で解読しようとすればするほどわからなくなり不安に結びつく、つまり﹁知らないこと﹂が猜疑を生んで怖れや戸惑いに結びついているように見える。 今回まず明らかになった﹁不明点﹂は、日本社会には尖閣︵中国では﹁釣魚島﹂、台湾や香港では﹁釣魚台﹂と呼ぶ。本稿では中国側視点を紹介する場合は﹁釣魚島﹂で統一する︶を巡る領土紛争についての認識に大きな誤解があることだ。 活動家の上陸が伝えられた瞬間から、ツイッターなどでは﹁反日﹂という言葉が飛び交い出した