中国国防省は11月23日、尖閣諸島上空などを含む東シナ海の広い範囲に、戦闘機による緊急発進︵スクランブル︶の基準となる﹁防空識別圏︵ADIZ︶﹂を設定したと発表した。この範囲が、日本がすでに設けているものと重なることから、尖閣諸島をめぐる日中の緊張が高まるとみられる。 防空識別圏は不審機による領空侵犯を防ぐことが目的で設定されるが、国際法上は不法行為ではない。他国機が領空に侵入してから領土上空に到達するまで、ほんのわずかな時間しかからないこともあり、領空より広い防空識別圏を設定することで、スクランブル対応をするかどうかを検討する基準としているだけなのだ。