私たちは日常的に意識せず、様々なことをアウトソーシングしながら暮らしている。地理的にも遠く離れ、辿ってきた歴史も大きく異なる地域の距離と時間を編み直すことによって、得られるヒントとは。小説家・古川日出男と巡る福島と沖縄。 後藤﹁この号の記事のために赤坂憲雄さんの東北行脚に同行させてもらったんですけれど、距離や規模というのは、体で感じないとわからないことがたくさんあるなって思ったんです。でも、それって、ツアーをしていて感じることでもあるんですよね。〝日本は思ったより広いぞ〟っていう。そういうことで気がつくのは、普通の暮らしの中では自分の想像力が追いつかないような場所にいろいろなものがあるということで、それは原発とか基地とか、センセーショナルなものだけじゃなくて、たとえば、ゴミ焼却場や火葬場もそう。そういう普段は縁遠い場所に置かれているものを、目の前に再提示するものって、パッと思い浮かぶのは文