多くのユーザーは、クライアントPCやモバイル端末の画面に﹁ユーザー名﹂﹁パスワード﹂という言葉が現れると、思わず身構える。大文字/小文字を取り混ぜたアルファベットと数字を組み合わせたパスワードや、PIN︵暗証番号︶をさまざまなアカウントごとに思い出すのは、多くの人にとって容易ではない。一方、指紋のような固有の識別子を使って本人認証ができるとしたら、どうだろうか。 米PayPalの最高情報セキュリティ責任者︵CISO︶で、公認情報セキュリティマネジャー︵CISM︶とセキュリティプロフェッショナル認定︵CISSP︶の資格を持つマイケル・バレット氏は、2013年5月上旬に米国ラスベガスで開催された﹁Interop﹂の基調講演で、よく使われる弱いパスワードを多数紹介した。 パスワードがない世界は想像し難いかもしれないが、インターネットはこうした方向に向かっていると同氏は述べる。﹁パスワードは面