「花子が 本を 読む」という文では、助詞「が」によって、「花子」が「読む」主体でありこの文の主語であること、助詞「を」によって、「本」が「読む」対象でありこの文の目的語であることが示されている。日本語のこれらの助詞のように、名詞句が述語などに対してどのような意味的・文法的関係にあるかを表す形態的な手段を、格 (case) と呼ぶ。 現代標準語、特に改まった書き言葉では、「雨が降る」「花子が本を読む」のように、自動詞文・他動詞文の主語は助詞「が」、他動詞文の目的語は助詞「を」を付けて表される。だが、くだけた話し言葉では「花子が 本 読む」のように目的語は無助詞で表されることが多く、自動詞文の主語も「あ、雨 降ってきたよ」のように無助詞になることがある。さまざまな地域の方言を見ると、主語に「の」、目的語に「ば」「ごと」など異なる助詞を使う方言や、「花子 本 読む」のように他動詞文の主語も無助詞