﹁自分らしくって言うけど、それってなんなんだよ﹂――。そう言われた少年は、苦しそうに顔をゆがめた。10年ほど前に放映された﹁真剣10代しゃべり場﹂(NHK教育)のこの一コマを今でも覚えている。﹁真剣~﹂は、10代の若者たちによる討論番組で、その回のテーマは﹁男らしくなきゃダメですか?﹂だった。テーマを発案したのは﹁男らしくないことでいじめられている﹂という中学生男子。 彼は﹁自分は自分のままではダメなんだろうか﹂とスタジオに集まった10代の仲間たちに問いかけていた。仲間たちは﹁そのとおりだ﹂と応じた。﹁いじめられる側にも原因がある﹂﹁自分を変えるべき﹂との厳しい意見が相次ぐ中で、彼はやがてポロポロと涙を流し始めた。番組を観ながら、当時高校生だった私はだんだん重苦しくなった。いじめられても守ってもらえないタイプの子どもっているんだな、と思った。そして、そんな子どもである彼のことを、他人事だと
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