シャーロック・ホームズの金銭感覚や、ダーウィンの資産活用から、会計と革命の意外すぎる関係、複式簿記から解き明かす知性の進化など、歴史を縦横に行き交い、ミクロからマクロ経済まで自在にピントを合わせながら、人類の歴史を損得の視点から紐解く。 パッケージから、最初は﹁簿記の歴史﹂や﹁会計の世界史﹂という印象を持った。だが、本書の焦点深度はもっと広い。そして、めちゃめちゃ面白い。これは、お金と人との関わり合いをドラマティックに描くだけでなく、それを通じて﹁お金とは何か﹂ひいては﹁価値とは何か﹂についても答えようとしているからだ。 ﹁お金﹂が人を作った? 誤解を恐れずに言うと、﹁お金﹂が人を作ったといえる。 逆じゃね? と思うだろう。壱万円札を作ったのは人だし、その紙に﹁壱万円分の価値がある﹂︵ここ重要︶と信じているのは人だから。なぜ壱万円に壱萬円分の価値があるかというと、壱萬円の価値があるとみんな
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