第18回20カ国・地域首脳会議︵G20サミット︶が9~10日、インドのニューデリーで開催されました。議長国を務めるインドのムルム大統領は各国の指導者に送った夕食会の招待状で、自身を﹁インド大統領﹂ではなく﹁バーラト大統領﹂と呼びました。こうした異例の行動に世界中のメディアが大きな関心を寄せています。 インド国内では国名をめぐり随分前から議論が行われてきました。言語学者の考証によりますと、﹁インド﹂という言葉はサンスクリット語の﹁Sindhu﹂に由来し、本意は﹁川﹂で、﹁インド川﹂を指します。この言葉はギリシャ語の﹁Indu﹂として欧州に伝わり、英語の﹁India﹂となりました。しかしインド人にとって﹁India﹂は外来語であり、﹁バーラト﹂と自称してきました。古代インドの史詩﹁マハーバーラタ﹂では、﹁バーラト﹂はもともと古代インドの偉大な王で、後にインドの国家に対する自称となりました。イン