﹁ガラパゴス﹂という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ︵もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった︶。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA︵米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス︶のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日本という﹁単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い﹂という特殊な環境で、iモードを中心に﹁ケータイ・ライフスタイル﹂が異常なスピードで進化をとげていることを表して、﹁ガラパゴス現象﹂と呼んだだけのこと。決してネガティブな