ある日本の家電メーカーでの会話。まずは副社長室での会話から。 技術部長‥副社長、来年度の予算の件はどうなりましたか 副社長‥大丈夫だと言っただろう。台湾・中国からの追い上げは相変わらず激しいが、テレビは家電ビジネスの要だ、経営陣としてもここだけは手を抜けない。来年も君たちにがんばってもらわなければならない。 技術部長‥もちろんです。そのあたりは現場のエンジニアたちも強く感じてると思います。ちなみに、メールに書いてあった﹁戦略の変更﹂って何ですか? 副社長‥そのことなんだが、経営会議でも持ち上がったんだが、台湾勢と戦うには、我が社にしかできない﹁差別化要因﹂が必要だ。価格競争では彼らにかなわない、消費者にとって目に見える価値を提供して、台湾製品よりも3割・4割増の値段でも喜んで買ってもらえるテレビを作らなければならない。私は、キーワードは﹁クラウド﹂だと思っている。 技術部長‥え?﹁ク、クラ