﹃コクのあるカレー﹄や﹃コクとキレのあるビール﹄という具合に味の表現として頻出する︿コク﹀。このコクとは一体、どのような味わいでしょうか? じつはこれ、答えるのが非常に難しい問題です。その理由はこれまで︿コク﹀という概念は定義されてなかったから。﹁コクがあっておいしい!﹂とよく言いますが、コク=おいしいではありません。 しょうゆラーメンとみそラーメン、どちらがより﹁コク﹂を感じますか?明確な定義はない、とはいえコクは一般的に﹁濃厚感や広がり、複雑さ﹂などを表現する際になんとなく使われています。例えばカレーやチーズ、シチューやラーメンなどには﹁コクがあっておいしい﹂という表現が使われ、逆に果物や刺身などはおいしい食べ物ですがコクは感じないでしょう。では、コクの正体とは何か? 先日、コクの研究の第一人者で、こちらの本の著者である女子栄養大学食品栄養学研究室の西村敏英教授からお話を伺ったので、こ
![〈コク〉とはなにか|樋口直哉(TravelingFoodLab.)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8e9701426cf57b076136eb61bf04a314a1ff9705/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F70701951%2Frectangle_large_type_2_0bd3975c07712a21f627f2ec3317aa89.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)