マガジン > 連載 > 椹木野衣 > 椹木野衣 美術と時評86:歴史の遠近をすり抜けて ―「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」展からの考察 連載目次 人工知能美学芸術研究会「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」展(The Container、東京)より 資料 ‒ S氏からN氏への指示書(複製)2014年、コピー、紙、21.0×29.7 cm 撮影(以降すべて):皆藤将 最近は時の流れが奇妙に早いというか、これもSNSなどによる副次的な効果なのだろうか。事件や事故、様々な出来事が次々と伝えられるそばから忘れられ、なかには歴史的にみて意義重大なものが混じっても、さしたる吟味がされることもなく、端からひとしなみに消費されていく。その様子には、少なからぬ違和の念を禁じえない。2014年に報じられ、大きな衝撃を与えた作曲家、佐村河内守(敬称略、以下同)が自作と称して別人に代作さ
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