バンクーバー新報 2012年3月1日第9号 2011年5月、日本政府は、ハーグ条約の締結に向けた準備を進めることを閣議了解し、条約を実施するために必要な国内法の整備に動いている。 ここでのハーグ条約とは、オランダのハーグで締結された国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の略称だ。一方の親が子どもを連れ去ることを防ぐのを目的に1980年に採択、83年に発効した。欧米諸国のほとんどが締結していて、これまでにも諸外国が日本の締結を求めてきた。 国際結婚増加の中でのハーグ条約 2007年の厚生労働省人口動態調査によれば、日本人女性と外国人男性の婚姻数は、外国での婚姻が約8700件、日本での婚姻が約8250件だ。 国際結婚が増えるにしたがい、結婚が破綻した際に、配偶者や離婚した元配偶者に了承を得ず、日本人が子どもを日本に連れ帰るケースが増加している。あるいは逆に日本に暮らす日本人の配偶者に無断で
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