先日,キヤノン電子の酒巻久社長に,桜が満開となっていた同社の秩父工場︵写真1︶を案内していただいた。酒巻社長は﹃椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!﹄︵祥伝社︶の著者であり,職場から﹁いす﹂をなくすという大胆な改革を実行した人である。秩父工場内には,応接室など一部を除き,会議室にも,開発部門や管理部門のオフィスにもいすがない。もちろん,社長室にもないという。 ﹃椅子と~﹄によると,会議室からいすを撤去したことで会議への集中力が高まり,年間の会議時間が半減した。またオフィスでも,立つことで社員同士のコミュニケーションが密になり,問題解決の精度やスピードが劇的に改善したという。いす代も不要になり,いすをなくした分スペースが節約されるなど﹁いすをなくすことのメリットは計り知れない﹂︵酒巻社長︶。 筆者は秩父工場にお邪魔する前に酒巻社長の﹃椅子と~﹄を読み,いすをなくすことで大きな収益改善効果が
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