公共の場で、子どもの泣き声やぐずる姿は歓迎されない。仕方なくスマホを見せてあやそうとすれば、今度は﹁スマホなんか使って……﹂。スマホ育児の背後には社会の不寛容も見え隠れする。 子育て世代には、社会からのプレッシャーもある。 東京都の30代の女性は9月、都心から郊外へ向かう電車で焦った。1歳半の息子がぐずって﹁あーっ﹂と大きな声をあげ、乗客の視線が集まった。﹁静かにね﹂と言ったが、聞いてくれない。いたたまれず、スマホを出して動画を見せると、やっと静かになった。そのときだった。 ﹁子どもにスマホばかり見せて。やっぱり若いお母さんよね﹂。近くにいた年配の女性たちが自分を非難する声を聞いた。 ﹁じゃあどうすればいいの? 降りればいいの?﹂ ほぼ毎日一人で息子の世話をする。息子と一日中向き合っていると、さすがに息が詰まり、外に出る用事を作った。それなのに――。 子どもの声に対する世間の受け止めは必ず