societyとagricultureに関するbarringtoniaのブックマーク (4)
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記事‥明石書店 ﹃暴力のエスノグラフィー――産業化された屠殺と視界の政治﹄︵明石書店︶と原書﹃Every Twelve Seconds: Industrialized Slaughter and the Politics of Sight﹄︵Yale University Press︶ 書籍情報はこちら 驚きの一冊 研究者として様々な本を読んでいると、時に﹁まさか﹂と思うような本に出会うことがある。それは、自分が決して思いつかなかったようなテーマについて、絶対に真似をできないような手法で書かれた本だ。アメリカの政治学者ティモシー・パチラットの﹃暴力のエスノグラフィー﹄は、まさにそのような﹁まさか﹂の本である。数年前、本書の原書である﹃Every Twelve Seconds﹄ ︵Yale University Press, 2011︶を初めて手に取ったとき、私はその一風変わったタイトルにま
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﹁見てください。これがぼくの船です﹂ そう言って差し出しされたiPhoneには、青と赤で鮮やかに塗装された木製の小さな船が一艘。ディーゼルエンジンのけたたましい音をあたりに響かせ、水しぶきをあげて沖へ出ていくさまが映し出されていた。 インドネシア人のソレさんは、現在24歳。西ジャワ州の水産高校を卒業後、22歳だった2018年に、外国人技能実習生として宮城県石巻市へやってきた。以来、近海の小型船底引き網漁業を営む船主の下で実習にあたっている。 見せてくれた船は、日本で稼いだお金を故郷に送金し、現地で建造したもの。実習を終えたら故郷へ帰り、漁師の父親とともに定置網漁に従事するつもりと語った。 石巻には毎年、ソレさんのようなインドネシア人技能実習生が20人前後やってくる。受入先は、近海の底引き網漁または定置網漁を営む船主たち。実習期間は最長5年で、その後は故郷に戻る者もいれば、在留資格を特定技能
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﹁種子法︵主要農作物種子法︶﹂といわれても、ピンとこない人が多いかもしれない。一般にはあまり知られていないが、戦後の日本で、コメや大豆、麦などの種子の安定供給を支えてきた法律だ。この法律が突如、廃止されることになった。今年2月に廃止法が閣議決定され、4月には可決、成立。種子法は来年4月1日に廃止される。なぜ廃止されたのか。私たちの食や農業は大丈夫なのか。ご自身も採種農家の生まれという龍谷大学経済学部教授・西川芳昭さんに聞いた。 コメや麦の安定供給を縁の下で支えてきた﹁種子法﹂ ――今回、突然廃止されることが決まった種子法︵主要農作物種子法︶ですが、そもそもどんな法律なのか教えてください。 西川 専門的な法律なので、名前も聞いたことがないという人が多いでしょう。種子法は、コメや麦、大豆といった主要作物について、優良な種子の安定的な生産と普及を“国が果たすべき役割”と定めている法律です。種子の
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今年の正倉院展に﹁白葛箱﹂が出陳されるそうだ。これは植物のクズの繊維を編んでつくられた繊細な細工物である。 クズと言えば、最近は﹁緑の怪物﹂扱いされるほどの繁殖力を誇り、開けた土地をあっと言う間に覆い尽くす。日本どころか海外でも侵略植物扱いされている。 だが、古来よりクズから取り出した繊維で編んだ小箱や鞄物などが作られており、繊細で優美な魅力がある。だから正倉院にも納められているのだろう。今でも葛細工の箱は、宮中祭祀や伊勢神宮の神宝として遷宮には欠かせないという。 私は葛細工と言うと、幻の﹁水口細工﹂を思い出す。そして、それが消えた理由を考えると、現代の日本のものづくりにも通じる憂いを感じてしまうのである。 水口細工1滋賀県の甲賀市水口地方では、水口細工として葛で編まれた小箱などが、少なくても江戸初期から作られていた。参勤交代を始めとする東海道を旅する人々のお土産として珍重され、シーボルト
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