現在、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪とされている刑法の強姦︵ごうかん︶罪について、親告罪をやめる方向での見直しを検討する――。男女共同参画会議︵議長・平野博文官房長官︶の専門調査会がこのほどまとめた第3次男女共同参画基本計画の策定に向けた中間整理に、こんな項目が盛り込まれた。内閣府が12日まで意見募集中。親告罪は﹁被害者の名誉を守るため﹂と考えられてきたことから、今後、異論も出そうだ。 中間整理の﹁性犯罪対策の推進﹂のなかに、今後5年間に取り組む施策として﹁強姦罪の見直し︵非親告罪化、構成要件の見直し等︶の検討﹂を盛り込んだ。日本政府が、国連の女性差別撤廃委員会から昨夏、性暴力犯罪を再定義して親告罪を撤廃するよう勧告を受けたことを背景に、参画会議の下にある有識者の専門調査会が議論してきた。 参画会議は6月にも首相あての答申をまとめ、政府は年内に計画を策定する。︵編集委員・河原