まずは具体的な数値を並べてみたい。1983〜2013年度の過去31年間に運動部の部活動で850人が命を落とし、同じ期間に学校柔道では118名が死亡している。運動会の花形種目である組体操では、2012年度の統計で6533件の負傷件数が確認されている。教育現場で繰り返されてきた事故はその都度精査されることなく、﹁︵スポーツや運動会には︶怪我がつきもの﹂という常套句で済まされ、次なる事故を呼び込んできた。 ﹃教育という病 子どもと先生を苦しめる﹁教育リスク﹂﹄︵光文社新書︶の著者・内田良氏は、これを教育の世界に蔓延る﹁つきもの論﹂だとする。内田氏が、死亡事故が相次いでいた柔道事故を世に問うたときには﹁柔道に怪我はつきもの﹂と返され、巨大化・高層化する組体操の危険を訴えても﹁怪我はつきもの﹂が繰り返され、多様な家族形態に配慮しない﹁1/2成人式︵10歳になった節目を親子で祝う学校行事︶﹂の問題点を
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