ノーベル経済学賞・クルーグマン﹁統一通貨ユーロの失敗は必然だ!﹂ 現実を直視しないヨーロッパの﹁独善性﹂を一刀両断 文/ポール・クルーグマン ユーロの危機は前もって予測されていた ヨーロッパからのニュースにはやや落ち着きが見られるものの、基本的には相変わらずひどい状況だ。 ギリシャは、大恐慌よりさらに深刻なスランプに陥っており、回復の希望は全く見いだせない。経済がようやく上向きになってきたスペインは、成功談として称賛されているが、失業率は相変わらず22%だ。 さらに、ヨーロッパ大陸北部は、弧を描く形の経済低迷地帯となっている。フィンランドは南ヨーロッパと匹敵するくらい不景気だし、デンマークとオランダの経済も最悪な状態だ。 なぜ、こんな悲惨な状態になってしまったのだろうか――。独善的な政治家たちが計算と歴史の教訓を無視すると、こういうことが起こる、というのがその答えだ。 ギリシャや他の国の左
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