2012年に73歳で死去した中沢啓治さんの漫画﹁広島カープ誕生物語﹂が、プロ野球開幕の28日に復刊、発売された。中沢さんと親しい出版関係者が、昨年のカープ躍進をきっかけに20年ぶりの刊行を決めた。 漫画﹁はだしのゲン﹂の作者として有名な中沢さんは、1950年の球団創設時からの熱狂的なカープファンとしても知られる。妻ミサヨさん︵71︶によると、原稿の締め切り間際でもテレビにかじりつき、他のチームのチケットをもらっても﹁カープ以外は見ない﹂と足を運ばなかった。﹁ミスター赤ヘル﹂の山本浩二さん︵67︶、エースの外木場(そとこば)義郎さん︵68︶らが好きだったといい、2011年にはマツダスタジアム︵広島市︶で始球式の投手を務めた。 作品は1994年、書き下ろしで出版。原爆で両親を失い、豆腐店で懸命に働く少年が、市民球団として発足したカープに力をもらう姿を描く。中沢さんは精力的に資料を収集、実体