安倍晋三元首相が銃撃された事件から7月8日で1年。山上徹也被告︵42︶は捜査機関の取り調べに、母親が世界平和統一家庭連合︵旧統一教会︶信者で、家庭の崩壊に苦しんだと動機を語り、こんな内容も供述した。﹁︵韓国から教団を︶招き入れたのが岸信介元首相。だから︵孫の︶安倍氏を殺した﹂ 岸氏から安倍氏にいたる﹁安倍3代﹂と旧統一教会の歴史を解明しようと、私たちは教団創設者・文鮮明氏の発言録﹁マルスム選集﹂︵全615巻約20万ページ︶をはじめとする教団関係の資料を手分けして分析し、同時に関係者にも取材した。 そこで分かったのは、教団が日本上陸後すぐの1960年代から、岸氏ら自民党有力政治家と関係を結んでいたこと、そして﹁安倍3代﹂を軸に、その影響が今も続いていることだった。教団はなぜ自民党を必要としたのか。政治家の側も、なぜ教団に近づいたのか。“禁断の果実”と知っての上だったのだろうか。︵共同通信大阪