サッカーは選手やボールが複雑に絡み合う動的なスポーツである。それゆえに野球のようなデータ分析、選手評価は難しいと考える人が多いのではないだろうか。実際、野球界、特にMLBでは選手の総合評価指標WAR︵Wins Above Replacement︶が市民権を得ているが、サッカーにこうしたスタッツは見られない。リオネル・メッシについて、ゴール数が話題になることはあっても、そのさらに先の目標である﹁チームの勝利をどれだけ増やしたか﹂が議論の的になることはない。選手評価においてサッカーはまだまだ未熟に映る。しかし実はサッカー界にも、野球に似た評価を用いて強化を行い、大きな成功を収めた例がある。イングランド・プレミアリーグに所属するリヴァプールFCだ。今回は野球とサッカーにおける評価の違いを比較しながら、リヴァプールFCがいかにして総合評価指標を作り上げたか、また活用しているかを紹介したい。 目次
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