前回は,﹁商品開発﹂プロセスにおけるデジタル化についてCAD/CAMを中心に解説した。自動車編の最終回である今回は,﹁商品開発﹂プロセスと﹁製造﹂プロセスをつなぐ製品情報の共通基盤である﹁BOM︵Bill of Material,いわゆる部品表︶﹂を中心に,自動車メーカーの製造プロセスについて解説していこう。車の高付加価値,高機能化のために欠かせないソフトウエア開発の効率化に対する業界としての取り組みも紹介する。 自動車メーカーは設計,製造段階の不具合が原因で特定の車が安全上や公害防止上の保安基準に適合しないことが分かったとき,﹁道路運送車両法﹂に基づいて,国土交通省に﹁リコール﹂として届け出たうえで,無償で車を回収し修理する責任を負っている。読者の皆さんも,新聞やニュースで﹁○○社がXX年XX月~XX年XX月に製造された車種△△,XX万台のリコールを発表﹂という報道を目にしたことがあるだ