生産性の低すぎる日本社会デービッド・アトキンソン著﹃新・所得倍増論﹄を読んだ。日本社会は世界トップクラスの質の労働者を抱えながら、﹁一人当たりGDP﹂や﹁時間当たり生産性﹂ において極めて低い水準にあるという。その結果、先進国で最も貧しい国になっている。︵いずれもデータに基づく議論なので、関心のある人は本を読んで確認してほしい。︶ そのような現状分析からの政策提言として、﹁政府がGPIF︵公的年金ファンド︶を通じて上場企業に﹃時価総額を上げろ﹄というプレッシャーをかけるべきだ﹂と書かれている。 曰く、日本の上場企業経営者は、国際水準ではまったくの無能であり、利益を出せていない︵﹁3時に閉まる銀行﹂という例が何度も登場する︶、無能な経営者を交代させることでしか生産性の向上はない、女性の活躍もないという論旨だ。 同様の提言は他の識者からもなされている。藤野英人著﹃ヤンキーの虎﹄では﹁5年平均で