子どものころ、﹁ろくむし﹂というボール遊びをしたことはありますか? ……と聞くと、返ってくるのはおそらく﹁したことがない﹂という答え。 というのも、ろくむしは日本各地で楽しまれていた一方で、なぜか認知度が低く、名前の意味もよく分からない“謎の遊び”なのです。 地面に2つの円を描き、﹁内野﹂﹁外野﹂にチーム分け。内野が目指すのは、2つの円のあいだを6回往復すること。外野は、それをボールで当てるなどして妨害する――というのが、ろくむしの基本的なルール。﹁昭和の子どもの遊び﹂として知られています。 どういうわけか、往復の回数は﹁1むし﹂﹁2むし﹂とヘンテコな単位で数えられており、おそらくこれが﹁ろくむし︵6むし︶﹂と呼ばれる理由。しかし、地域によって名称はマチマチで、筆者の小学校では1文字少ない﹁ろくむ﹂という言い方になっており、往復の単位も﹁む﹂でした。あのころは特に疑問も覚えず、休み時間の校