これまでリサイクルは“加点”の取り組みだった。リサイクル材の使用がアピール材料となり、自動車メーカーの企業イメージを向上させた。だが、規制が導入される今後は取り組むことが義務となる。特に、プラスチックとリチウムイオン電池の2領域が、自動車業界を悩ませることになりそうだ。 ﹁一番難しいのはプラスチック﹂ 潮目の変化を先読みして、リサイクル材を積極採用しているのが欧州勢である。スウェーデンVolvo Cars︵ボルボ︶が2023年8月に日本で発表した新型電気自動車︵EV︶﹁EX30﹂は、リサイクル材の比率を高めることで、従来のボルボ車に比べて、ライフサイクル全体の二酸化炭素︵CO2︶排出量であるカーボンフットプリント︵CFP︶を25%削減した。EX30は、使用するアルミニウム︵Al︶合金の約25%、鋼板の約17%、プラスチックの約17%をリサイクル材とした。