覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた東京都町田市の男性(47)の判決で、東京地裁立川支部は16日、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。深野英一裁判官は「警察が採取した尿を誤って廃棄し、これを取り繕うために尿をすり替えた疑いがある」と証拠捏造(ねつぞう)の可能性に言及。「捜査は極めてずさんで、信用できない」と警視庁の対応を批判した。 警察が採取した尿の容器は通常、容疑者の署名と指印がされたシールを貼って保管されるが、男性の場合、シールは白紙だった。男性は公判で「署名をした」と話し、検察側は嘘だと主張。深野裁判官は、覚醒剤の成分が検出されたとする尿の鑑定書を証拠採用していなかった。 判決後、薬物事件を担当する警視庁組織犯罪対策5課の八十嶋宝課長は「尿を取り違えた事実は確認できなかった。(鑑定書が)証拠採用されなかったのは残念。捜査員の指導を徹底する」とコメントした。
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