﹃ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜﹄日本語版を見てきた。ビリーが前田晴翔、父のジャッキーが吉田鋼太郎、ウィルキンソン先生が柚希礼音のキャスティングだった。 イギリス版の舞台は生で一度、映画館上映でも一度見たことがあり、台本も振付も音楽たいへん良くできたものだったのだが、日本語版はもとの舞台のサッチャー政権批判も全くカットせず、むしろ冒頭のニュース映像とかでもう少し日本人にもわかりやすいように提示している。それ以外の構成はほぼ同じだと思うのだが、日本版キャストは辛辣な政治諷刺にもひるまずにどんどん盛り上げていて感心した。 日本版の工夫が面白いところとしては、炭鉱の人たちが福岡県あたりの方言をしゃべっていることがある。もとの舞台では北部イングランド方言を話していたのだが、このあたりの方言にすることで筑豊炭田や三井三池炭鉱の連想が働くし、また日本の一般的な九州のイメージとして性別役割分担が