より速く、より遠くへ――何が彼らを掻き立てるのか。 自転車を偏愛する3人がちょっとマニアな楽しみ方を 教える“私の﹁自転車﹂論”。3人目は、自転車マニアの間で知られた存在である SF作家の高千穂遙さん。こだわりのコレクションを披露します。 椎間板ヘルニアでオートバイやスキーをやめて以来、書斎にこもる生活が続いていた高千穂遙さん。50歳の健康診断で肥満、高脂血症、高血圧で生活習慣病の一歩手前と診断された。そんなとき出会ったのが自転車だった。 ◇ ◇ ◇ 健康診断の結果を見て焦っていたとき、疋田智さんの﹃自転車生活の愉しみ﹄を読んで、﹁そうか、自転車があった!﹂と気づいたんです。椎間板ヘルニアのせいでランニングなどはとても無理。でも自転車なら大丈夫だと。 最初はクロスバイクやスポルティーフに乗っていたんですが、どうも物足りない。そこで思い切って、アームストロングが乗っていたトレッ