ジェンダーSF文学としての最高傑作﹃大奥﹄――萩尾望都、山岸凉子、アトウッド、そしてよしながふみの文脈―― ※こちら﹃大奥﹄最終巻を読んでの感想になりますので、盛大にネタバレしてます。ご注意ください~。この記事を加筆修正した文章が﹃女の子の謎をとく﹄という書籍に収録されています! よければぜひ。 ﹁私たちはなぜ産む性として生まれてきたのか﹂。 ジェンダーSF文学作品がずっと考えてきたのは、その解けない疑問だった。 萩尾望都が、山岸凉子が、マーガレット・アトウッドが、そしてよしながふみが、そして彼女たちの作品の読者が、ずっと考え続けてきた問いだろう。 はじめによしながふみの﹃大奥﹄が完結した。全19巻、圧巻の結末だった。 ﹃大奥﹄の物語が始まるのは、徳川家光が将軍だった時代。赤面疱瘡という疫病が流行り、若い男性人口が激減する。男性はおよそ5人に1人しかいないという時代になった日本では、将軍も
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