新型コロナウイルスワクチンの接種によって、国内の令和3年2~11月の感染者と死者をいずれも90%以上減らせたとの推計結果を京都大・西浦博教授(理論疫学)らのチームがまとめた。期間の実際の感染者は約470万人、死者は約1万人だったが、ワクチンがなければそれぞれ約6330万人と約36万人に達した恐れがあるとしている。 国内では21年2月から始まったワクチン接種に、どの程度の効果があったのかは十分検証されていない。今回の推計では、接種ペースが実際よりも14日間早ければ感染者と死者を半分程度に抑えられ、14日間遅かったら感染者は2倍以上、死者数は約1・5倍になっていたとの結果も出た。 西浦教授は「結果的にワクチン接種はうまくいったと言えるが、それで終わりにしてはいけない」と指摘。「感染状況の推移をリアルタイムで予測し、政策を決める人や社会に示せる仕組みが必要だ」とした。
今年、インフルエンザが流行しやすい状況にあるという。9月時点で注意報レベルや警報レベルの地域が拡大しているが、これは新型インフルエンザが流行した2009年来のことだ。免疫力の低下によりかかりやすい人が増加したことや、行動規制緩和が原因と考えられる。さらに、インフルエンザの流行と新型コロナウイルスの流行が重なり、8月から薬不足が起こっている。がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長、今村顕史氏に詳しく聞いた。 インフルエンザ、すでに流行 いったいなぜ? 特にインフルエンザの感染に気をつけたい人は? 日常生活ではどう予防したらいい? インフルエンザのワクチンの種類、効果は? インフルエンザワクチンを打つタイミングはいつがいい? インフルエンザを疑う症状は 市販薬は飲んでいい? インフルエンザの検査のタイミングはいつがいい? インフルエンザに感染、同居家族にうつさないために インフルエンザで
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専門家が全面に出て 前篇《新型コロナ1100日とは何だったか…いま尾身茂が明かすコロナ対策の「自己検証」とは》に引き続き、政府の新型コロナウイルス感染症対策への助言役を3年半にわたって務めた尾身茂氏のインタビューをお届けしよう。 ──3年半、専門家がリスクコミュニケーションの前面に立つことになった。 「09年の新型インフルエンザでは一切なかった。我われが2020年2月に初めて出した提言の直後、すぐにマスコミの要請で提言の内容などを説明することを求められ、それを契機に提言を出すたびに記者会見をすることが定例化した。結果的に前面に出ることになりました」 ──3年半の感染状況を俯瞰してどう振り返りますか。 「新型コロナの3年半は、大きくわけて3つのフェーズにわかれます。 1つ目は、全くの未知のウイルスを相手に試行錯誤を繰り返した時期、2つ目は医療逼迫が何度もおきるほど感染が最も広がった時期、3つ
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