以前書いたサンドの書評を読み直して、感じたことをだらだらと。 最も幸福な書評の書き方は、自分が読んで感銘を受けた本を紹介するものだろう。あんまり絶賛調だと提灯持ちみたいに受け取られかねないし、少しは批判点あるいは将来への期待を交えると、評者がよりインテリっぽく見えるから、なおよし、みたいな。いわゆる、ホメつつケナし、ケナしつつホメる、というテクニック。さらにこじらせると、インテリっぽく見せるのもイヤだから、あえて直球という手もあるけれど。︵我ながら書いていてどうにもイヤラシイ考え方であるが、言い訳するのも子どもっぽい︶。 一方で、時には編集部から本を指定して依頼される書評というのがあり、稀ではあるが、ちょっと頭を抱える場合もある。サンドの本はまさにこのパターンでした。 日本に限ったことではないが、キリスト教業界には、イスラエル絶賛の人々と、パレスチナ絶賛の人々がいて、私から見ると両者ともあ
![シュロモ―・サンド『ユダヤ人の起源』書評への自己コメント(2015年9月14日記)|biniyaminit (Mika Levy-Yamamori / 山森みか)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5db74ac5f150697e62f8c791736da241890ae325/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd2l930y2yx77uc.cloudfront.net%2Fproduction%2Fsocial_images%2Fd5e262eecac3af8b1d1cc24e2a040ab601e2765b.png)