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月岡芳年の猫がカワイイという話|太田記念美術館
猫の絵をたくさん描いている浮世絵師といえば、歌川国芳が有名でしょう。猫が大好きで、たくさんの猫を...
猫の絵をたくさん描いている浮世絵師といえば、歌川国芳が有名でしょう。猫が大好きで、たくさんの猫を飼っているだけでなく、仕事をしている最中でも懐に猫を入れていたといいます。 こちらは幼い頃に国芳に入門していた河鍋暁斎が、当時のことを思い出して描いた﹃暁斎画談﹄の1図です。右側にいる絵筆を持った人物が国芳。机の周りに猫が何匹もいるだけでなく、懐の中や机の上にもいた様子がよく分かります。 さて、猫好きの歌川国芳の門人であったのが月岡芳年です。芳年と言えば、残酷な血みどろ絵の印象が強いかも知れませんが、実は、師匠の影響を受けてか、可愛らしい猫の浮世絵をいくつも描いているのです。 まずは﹃美術世界﹄という雑誌に描いた1図。女性が猫を抱いています。女性の優し気な眼差しから、猫への愛情の深さが感じられます。 ご注目いただきたいのは猫の顔。嬉しそうに目を細めています。ちょっとブサカワな表情がたまりません。